一級建築士事務所:吉田建築設計室(03年06月4日更新)
注:このページの製品データは古いものですが、製品を選定するときの参考に掲載を続けます。比較する項目、データなどを目的に合った、最新のものに適宜変更して、最良の決定をしてください。

エアコン情報(選び方と性能比較表)


エネルギー消費効率は、同じメーカーの製品の中でもかなりの幅があります


 
表@ 各社エアコンののエネルギー消費効率の巾
98年06月21日現在の98年版のカタログによる。ただし、三菱電機は97年12月版。
サンヨー  暖房 1.96〜5.00 冷房 2.11〜4.72
日立   2.38〜4.68    2.18〜4.63
三菱重工   2.35〜4.8    2.25〜4.72
ダイキン   2.62〜4.71   2.15〜4.31
シャープ   2.82〜4.42   2.38〜4.31
三菱電機    2.48〜4.65   1.96〜4.2
           

エアコンの選び方

*エネルギー消費効率とは、ある決まった条件のもと(暖房時は外気温7度C室温20度Cで、補助ヒーターも含む)消費電力に対して何倍の能力があるかを表示するもので、この数値が大きいほどエネルギー性能がよいことになっている。たとえば、2.5kwの暖房能力の製品の消費電力が500wなら、エネルギー消費効率は、2.5kw/500w=5.0 と計算する。消費する電力の5倍の効率で部屋を暖めたり、冷やしたりすることになる。
 

冷暖房用エアコンの冷房性能比較表
*データは98年版カタログによる。

 主に冷房目的の2台のエアコンを選定するために、次の表Aと表B作った。エネルギー消費効率を優先して拾い出し、その中で主に運転音に注目した。200V機種は効率が悪いと書いたが、ナショナルは検討対象になった。
 必要な二つのエアコンのうち、使用時間が2.5kwのほうが長いので、まず表Aを作った。寝室用なので多少の効率は犠牲にしても、運転音のデータから、東芝・ナショナル・三菱重工に着目しながら、次に表Bを制作。こちらの2.8kwの表の3社のうちでは、東芝の運転音が内外とも1db大きいので候補から除外した。効率と運転音が多少落ちるナショナル(2.5kwの外部騒音が1db大きい)にするか、三菱重工にするかというところで、200V機種であることから、結局ナショナルを選んだ。

表A         冷房能力2.5kwタイプの冷房性能
メーカー・品番 エネルギー消費
効率
消費電力
  w
電気代円/
1時間
運転音
(内-外)      db
運転
モード
除湿
能力
 L/h
スイ
ング
脱臭機能 その他の特徴 (参考)
 暖房
 能力
   kw
日立
RAS-25PJX
4.63 540 12.4 38-41 おやすみ
運転
1.4 上下 あり 湿度調整 4.00
東芝
RAS-255BDR
4.39 570 13.1 35-39 静か運転 1.4 上下左右 あり 空気清浄適用床面積10帖 4.00
サンヨー
SAP-F25A
4.72 530 12.2 36-41 おやすみ運転 1.4 上下   ブレーカー落ちナイス+30,000円 3.60
ダイキン
S258-TSX
4.31 580 13.3 36-40 静か運転 1.2 上下左右 あり   3.60
ナショナル
CS-G25M2
4.27 585 13.5 35-39 1.4 上下左右 あり 200V 3.60
シャープ
AY-H25FX
4.31 580 13.3 36-37   1.4   換気加湿暖房 3.60
三菱重工
SRK250RZ
4.72 530 12.2 35-38   1.65 上下左右 あり   3.60

 
 
 
表B     冷房能力 2.8kwタイプの冷房性能
メーカー・品番 エネルギー
消費
効率
消費電力
 w 
電気代
円/
1時間
運転音
(内-外)
     db
除湿能力
  L/h
その他 (参考)
 暖房
 能力
   kw
日立
RAS-28PJX
4.27 655  15.1 39-42 1.6   4.50
東芝
RAS-285BDR
3.94 710  16.3 37-40 1.6   4.50
ダイキン
S288-TSX
3.92 715 16.4 36-40 1.4   4.20
ナショナル
CS-G28M2
3.59 780 17.9 36-39 1.6 200V 4.20
三菱重工
SRK280RZ
4.03 695 16.0 36-39 1.9   4.20

 
空調機の騒音についてのコメント
このページを見た技術系職種のゲストから、運転音についてメールをいただきましたので、本人の了解を得て以下に引用いたします。メーカーの機器開発関係の仕事をしている方たちにはぜひ目にとめていただきたいものです。

最近のエアコンや暖房器具には「おやすみモード」というのがあって、点けたままで寝るのを前提として音が静かなことをセールスポイントにしているものが沢山あります。しかし実際に使ってみると、カタログ上は同じ騒音レベルでもとても気になる音とそうでもないものがあります。

気になる音というのは、制御の周期が短く頻繁に音のレベルが大きくなったり小さくなったり変化するもの、気にならない音は、制御の周期が非常にゆっくりしているもので、こういう種類のものは騒音が気になる前に寝てしまいます。

私が使った経験では、(といっても日立、東芝のエアコン、富士通ホットマンという暖房専用機ですが、)東芝のエアコンが最も優れていて騒音が気になりません。特に、室温が目的温度に近付いた時、東芝のものは非常にゆっくりとモーターの回転数が下がって行くのに対し、日立のものは回転数が低下するのがはっきり判り、ここで目が覚めてしまいます。寝入りばなには、それまで聞こえていた音が急に聞こえなくなったりするとかえって目が覚めてしまう様で、一概に音は小さい方が良い、とは言えません。富士通ホットマンは、暖房専用としてはとても優秀なのですが、ファンの制御がインバーターではなくリレーで何段階かに変化する構造です。このため室温が目的値に近付くと頻繁にリレーが切り替わってファンの騒音が変化し、寝るどころではなく目が覚めてしまいます。メーカーの開発者の方々も、音量ばかりでなくこういう所にも気を配ってもらいたいものです。
(1999/03長野県H.H氏の騒音についてのメールより)
(開設者注:この中でホットマンとあるのは、室外に温水ボイラー、室内にファンコンベクタのある灯油の暖房器具です)

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